機械式時計の種類①腕時計

機械式腕時計の特徴について


腕時計には大きく分けて機械式腕時計とクォーツ式腕時計があります。両者の違いはというと、クォーツ式腕時計が交流電圧によるクォーツ(水晶)の一定間隔の振動を利用して時を刻むという方法を用いるのに対して、機械式腕時計の場合は、巻き上げられたゼンマイばねの元に戻ろうとする力を歯車に伝えて時計の針を動かします。そのためクォーツ式腕時計が電池を必要とするのに対し、ゼンマイばねで動く機械式腕時計はばねさえ巻いてあれば電池切れを心配する必要はありません。

機械式腕時計はクォーツ式腕時計が発明される前から時計職人により作られており、歴史が古いものです。クォーツ式が1960年代から作られたのに対し機械式腕時計は1800年頃からで、携帯用の機械式時計という点でいえば懐中時計は16、17世紀ごろから作られているといい、歴史の長さがうかがえます。電池やクォーツ式の仕組みがない代わりに、機械式の腕時計はばねの動力から正確に時を刻むために、歯車などの非常に細かい多くの部品が組み合わされて作りあげられています。工場で大量に作りやすいためクォーツ式の腕時計には大変リーズナブルな値段で買えるものも多い一方、機械式の腕時計というと現在でも数十万を超えるような超高級腕時計の多くが機械式になっています。

機械式腕時計の種類について


超高級時計に多く用いられている機械式腕時計ですが、大きく分けると2つのタイプに分けられます。機械式の腕時計の場合、先ほど書いたように電池が必要ありません。それは現代的に考えればとってもエコであるのと同時にバッテリー切れの心配がないというのは非常に魅力的でもあります。とはいえ、モノを動かす以上動力は必要ですから、機械式には機械式で必要なコトもあるわけです。それが「ゼンマイを巻く」という作業です。機械式腕時計では、ゼンマイをまいた後、2日前後何もしないと時計が止まってしまうという物が多いようです。そして、このゼンマイを巻くという方法の違いで機械式腕時計は「手巻き式」と「自動巻き式」2つのタイプに分けられます。

まず「手巻き式」は時計の横についた「りゅうず」という突起を手でクルクルと回してゼンマイを巻いて使うタイプの腕時計です。このタイプの腕時計の場合概ね2日に1回程度はゼンマイをしっかり巻いておかなければ時計が止まってしまうということになります。電池がいらないとはいえ慣れないと手間に感じるかもしれませんね。そんな手間を省いてくれるのが「自動巻き式」です。このタイプの腕時計は腕に巻いておくと、腕の振りによって自動で中のゼンマイが巻かれるような仕組みになっています。そのため、日常的に腕時計をはめて程よく動いている様な人にはゼンマイも電池も気にしなくていいとっても便利な腕時計といえそうです。